VISITING DULTON STORES #04 Vol.2 | 1992年にオープンしたZAPADY-DOOのバックストーリー

ZAPADY-DOO 代官山店
VISITING DULTON STORES とは?>
VISITING DULTON STORESとは?
DULTON の直営店には個性に合わせたスタイルがあります。
それは DULTON、DULTON FACTORY SERVICE、DULTON DAY STACK、DULTON MARKET STORE、ZAPADY-DOOの5つ。
そして、スタイルが同じであってもお店によって見どころはさまざまです。
もっと実店舗でのお買い物を楽しんでもらいたい。
「VISITING DULTON STORES」はそんな思いから生まれた、日本全国にある直営店が持つそれぞれの魅力を紹介する企画です。
DULTON 直営店が持つさまざまな魅力を発信する企画「VISITING DULTON STORES」。#04 は東京・代官山にある ZAPADY-DOO です。Vol.1 は、DULTON 初の直営店ならではの魅力、お店の見どころ、人気のアイテムをご紹介しました。Vol.2 では、現店長の鈴木 千尋と、2000 年代初頭にお店に立っていた荒木 舞による対談をお届け。ZAPADY-DOO のユニークなヒストリーに迫ります。
Vol.1は こちら>
鈴木 千尋|DULTON 神南店のアルバイトスタッフとして入社。2022 年 10 月より ZAPADY-DOO の店長を務める。
ZAPADY-DOO という店名の由来
鈴木(以下S):直営店第1号なのに、店名に DULTON という文字が入っていません。なぜ ZAPADY-DOO なんですか?
荒木(以下A):創業者によると、お店がオープンした 1990 年代はアメリカとかヨーロッパの文化が流行していました。そこで海外のテイストを感じさせながらも、どこの国の言葉かわかりにくく、流行り廃りに左右されない名前を意識してつけたそうです。創業者がスキャット(歌詞の代わりに、意味のない音声をメロディに合わせて即興で歌う歌唱法)が好きだったこともあって、音楽のフレーズを口ずさむように ZAPADY-DOO と名づけたと聞いてます。
S:絶妙な雰囲気を持つ名前だと思っていました。
A:創業者は人や街の名前からとるなどありきたりの方法を好まずに造語が好きで、ネーミングにこだわりがありました。わたしが「このお店で働きたいな」って思った動機のひとつは、店名がおもしろいと思ったこと。そんなふうに、ZAPADY-DOO という響きが不思議と気になるお客さんもいるんでしょうね。
荒木 舞|2003 年 2 月、ZAPADY-DOO のアルバイトスタッフとして入社。3年間働いたのち、営業部・商品部を歴任。現在はインサイドセールスとして働く。
オープン当初の ZAPADY-DOO の様子。1990 年代、異国情緒溢れる雑貨がひしめき合うお店のスタイルはとてもめずらしかった。
流行りを超える軽妙なノリ
A:鈴木さんの入社のきっかけはなんですか?
S:まず、
DULTON 神南店
を訪れたこと。店内に入ると、目の前に見たこともないようなカーテンタッセルがたくさんあって驚きました。そのころわたしは恵比寿のアトレで働いていたんですが、中目黒の駅から職場まで歩いていく途中で ZAPADY-DOO を見つけたんです。寄ってみたらまた衝撃を受けて、DULTON に転職しようと決めました。ZAPADY-DOO は代官山という立地もいいですよね。
A:同じビルの 11 階が DULTON の事務所でした。それで1階が空くという話をオーナーさんから聞いて、「じゃあ、店出すか」という軽いノリで始まったようです。当時は代官山が流行りはじめていたころ。「だからですか?」と聞いてみたら、「そんなの知らない」って感じでした(笑)

オープンから 16 年後、2008 年に撮影された ZAPADY-DOO の外観は現在と大きく変わらない。流行りに流されず、長く愛される店づくりを続けている証。
お店づくりのユニークな変化
S:過去の店内の写真を見ると、今よりも商品量が多い印象です。どのようなイメージで売り場づくりをしていたのでしょうか? 現在は「ひらめきと発見のあるお店」を店舗全体のテーマとして掲げています。
A:わたしが働いていたころはコンセプトが明言されていませんでした。でも、それもおもしろさを生むひとつの力になっていた。当時の先輩に海外の映画を観ていて「後ろのセットを見ちゃう」という視点を持った方がいたんです。その先輩がやることを見て真似たり、洋書をたくさん見て参考にしてアイデアを膨らませてましたね。今はきちんと計画してお店をつくっていますよね。
S:場所柄、キッチンアイテムが人気の店舗なので、ベーカリーのような温かみのあるイメージでお店をつくってます。

2005 年、荒木が働いていたころの店内。「ガラス階段の裏など、お客さんが『通っていいのかな』と迷うようなところにまで商品が飾ってありました。シャンデリアやベネチアンミラーは ZAPADY-DOO を象徴するアイテムでしたね。女性らしいのですが、『かわいい』ではなく『すてき』という雰囲気が漂っていました」
かつて隣接していたカフェ、ガゼボ
S:ZAPADY-DOO に隣接していたカフェ、ガゼボについて教えてください。今もお客さんに「カフェがありましたよね?」って聞かれることがあるんです。
A:オープンは 1994 年。隣が空いたというので、スタッフから「やりたい!」という声が上がってやりはじめたそうです。イメージは「ヨーロッパにあるようなカフェ」でした。
S:「お洒落なカフェの走り」という言われ方をすることもあります。
A:お会計がキャッシュオンデリバリーだったんですが、当時としてはめずらしい。お客さんはとまどっていたようです(笑)。それも海外っぽい演出のひとつ。でもわざとらしく狙ったわけでなく、「おもしろいからやる」 というところが独特の感性だったんでしょうね。

DULTON の商品を備品に、反対にガゼボ用につくったアイテムを店舗で売ることもあった。お酒好きのスタッフのアイデアでめずらしいお酒もセレクト。働く人たちのやる気にまかせた独特のスタイルを持つカフェは人気を呼んでいたが、惜しまれつつも 2013 年に閉店。
ZAPADY-DOO を楽しくする「異質さ」
S:ZAPADY-DOO で働いていて、おもしろかったエピソードを聞かせてください。
A:売上が少し落ちた時期のある日、店長がスタッフ全員を集めました。それで、わたしを含めて4人のアルバイトに「ひとりずつ時間をつくって、1日かけてリサーチに行ってきて」と言うんです。具体的な指示はありません。
S:アルバイトでそんな自由なことやらせてもらえるなんておもしろいですね!
A:それぞれ吉祥寺や下北沢に行ったりして、「これをお店でやってみたらどうだ」というアイデアを持ち寄りました。すると、翌月から目に見えて効果が出たんです。今まで意識してなかった視点が自分のなかに芽生えたできごとでした。
S:そうしてほかにはないユニークなお店をつくっていったんですね。「おもしろいお店があるよ」って友だちに教えたくなるような、ちょっとした優越感に浸れるような。
A:宝探しの感覚で、「すごい買い物した」という気持ちになれるのが ZAPADY-DOO ならではの楽しさ。わたしにとって、それがここで働きたいと思ったきっかけでした。店名に DULTON が入っていない直営店は ZAPADY-DOO だけ。だからこそ、いい意味でどこか異質な存在であってほしい。DULTON のファンに「ここだけははずせないお店だよね」といつまでも思ってもらえたらうれしいですね。

鈴木、荒木が愛しつづける DULTON のアイテム
ZAPADY-DOO をこよなく愛するふたりが、お気に入りのアイテムをひとつずつ紹介します!

鈴木のお気に入りアイテム
レトロなムードを醸し出すアートアッシュトレイ

「入社して最初に購入した DULTON のアイテムです。この柄は今は発売していません。だからなおさら思い入れが強くなりました。わたしはアクセサリー用のトレイとして愛用しています。
他の柄
は今も ZAPADY-DOO にあるので、ぜひ見にきてください」
荒木のお気に入りアイテム
お花とともに主役になれるフラワーベース

「わたしがバイヤーのときに開発した 2016 年発売のフラワーベースです。かわいらしい形状と強めな色味にこだわってつくりました。グリーンとブルーを持っていますが、廃番となった今、イエローやブラックも買っておけばよかった…… と後悔しているくらいお気に入りです」
※表記されている価格は記事制作時のものとなります。現状の価格はアイテムのリンク先をご確認ください。
Vol.1 は こちら>
SHOP DATA
ZAPADY-DOO 代官山店
〒150-0021 東京都渋谷区恵比寿西 1-33-15 EN 代官山 1F
Tel:03-5458-4050
Fax:03-5458-4068
E-mail: zapady@dulton.com
Open:11:00~20:00
年中無休 ※年末年始を除く
Parking:無し
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